東京地裁の「路線価否定判決」に思うこと

購入したアパートが満室になりましたので、今日からこのブログは私の不動産投資に関する紹介だけでなく、不動産を取り巻くニュースや話題に関する、私なりの考察を語る場にもしたいと思います。

本日取り上げるのはこちらのニュースから。

相続税で「路線価」を否定 地裁判決、"節税"に警鐘

「路線価に基づく相続財産の評価は不適切」とした東京地裁判決が波紋を広げている。国税庁は路線価などを相続税の算定基準としているが、「路線価の約4倍」とする国税当局の主張を裁判所が認めたからだ。路線価は取引価格の8割のため節税策として不動産を購入する人もいる。だが相続税の基準となる路線価と、取引価格に大きな差があれば注意が必要だ。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52324200Y9A111C1CR8000?s=5

2019/11/18 日本経済新聞より

この記事は不動産投資家にとってかなりインパクトのある記事でしたね。

不動産の価格は「一物五価」とも言われ、実勢価格(時価)の他に複数の評価額が存在します。

ざっくり分けますと、

実勢価格(時価)→実際に売買される相場の価格

基準地価→都道府県が発表。実勢価格の90%程度。

公示地価→国土交通省が発表。実勢価格の90%程度。

路線価→国税庁が発表。実勢価格の70%程度。

固定資産税評価額→市町村(23区内は東京都)が管理。実勢価格の60%程度。

の5つに分けることができます。

このうち、相続税の計算は④の路線価(建物は⑤の固定資産税評価額)をベースに税率を掛けて計算します。

仮に1億円を持っている人がいたとして、現金のままであれば1億円をベースとして相続税を計算します。

ところが、この1億円で不動産を買い、不動産の形で資産を持っていたとしたら、路線価や固定資産税の評価額は実勢価格の60〜70%ですから、計算のベースとなる金額が6000万円とか7000万円に圧縮されるわけです。

富裕層が相続税対策として不動産を買うのは、このように相続税の計算をする際のベースとなる金額を下げるためなのです。

今回の判決は、節税目的で不動産を購入した場合に、路線価ではなく実勢価格をもとに評価しなければならないという訳ですから、かなり市場に与える影響が大きくなると思います。

特にこれまで節税目的で不動産を購入していた富裕層が不動産を買わなくなってしまいますので、購入需要の減退→不動産価格の下落という方向に進んでしまうかもしれません。

まだ地裁の判決ですので、これからの推移を見守りたいと思います。